金のやわらかさと扱い方、鑑定法
地球の誕生と同時に生まれた金は長い長い年月を経て、たくさんの人の手を介しながら金製品へと生まれ変わります。たったひとつのアクセサリーにも、壮大な歴史が秘められているのでしょう。
金と言うと黄金色を思い浮かべると思います。地金や金貨は、金色に近い色で輝きを放っているイメージです。金は光を反射するので、独自の色はあまりないもの。
ですから、少しでも混ぜ物をすると、すぐに色が変わります。そもそも金はやわらかい金属ですから、純度100%のままでは装飾品として使いづらいものがあります。また、日本における金の歴史のなかで、悪代官が金の小判を噛んで判定したと言うエピソードがあります。
純度が高い金は、力を加えればたわみ、噛めば歯形がついてしまう程のやわらかさです。もし純金で指輪を作ったら、ちょっと重たい荷物を持っただけで、すぐにゆがんでしまうでしょう。そうなると、純金の装飾品の用途は限られてきます。飾りに使う方法が納得。身に着けるものには使えそうにありません。
その特性を考え、装飾品を作る場合は扱いやすい硬度の金にする為にわざと別の金属を溶かし込み、合金にして使います。その混ぜ込む金属の種類や配合率によって、いろいろな色の金製品が出来上がるのです。