世界一金を買う国はインド、その意外な理由とは・・・
世界でもっとも金の需要が多い国はインド。インド政府は1962年から1990年ごろまで、国民に金の保有や輸入を禁じていました。ですが、インドは伝統的に金が好きな国です。インドの女性といえば、明るく華やかな装飾品を身につけている姿を思い起こす人が多いのではないでしょうか。
インド政府が禁止しても、インドの人々の金好きを止めることはできませんでした。年間150トン前後の金が密輸入され、インド国内で高値で取引されました。インド政府はしかたなく、現実を追認する形で金の自由化に踏み切りました。
インドの金需要の大半は宝飾用、しかも結婚式用。インドの結婚式には、花嫁に「持参金」として金の宝飾品をもたせる習慣があります。ですから、インドの婚礼シーズンの5月と10月に金需要がピークを迎えるのです。
その時期の吉日が近づくと、宝飾店が身動きできないほど混雑します。首都ニューデリーでは3万カップルの結婚式がおこなわれます。
「持参金」の内容は、イヤリング、ネックレスなど、買い揃える内容に決まりがあり、それを決まりどおり買い揃えることになっています。すべての装飾品は22金であることとされているので、花嫁の父親の懐具合によっては「持参金」の総重量が20グラムになったり、200グラムになったり・・・。重量で調整することになります。