金の55パーセントは私的な保有。その他45パーセントはどこに?
金はとても軟らかい金属です。純金の指輪は幅や太さによっては、強く力を入れただけで曲がってしまうものがあります。
純金の指輪を日常使いにしていると、自分の指の形どおりになってしまうことがあります。変形した指輪ともいえるのですが、自分の指どおりになじんだ指輪もそれはそれでユニークなもの。
軟らかいだけに表面が傷つきやすく、金が何らかの用途に使われるとき、他の金属と混ぜて合金にされることが多いのはそのため。
金の用途でもっとも多いのは私的保有で、約55パーセント。金貨や金の延べ棒などの形で私的に保有されているものです。あとの45パーセントのうち、もっとも多い用途は装飾品。金の総量の約25パーセントが、装飾品として利用されています。
金が装飾品として利用されるのは、むろん美しく希少価値があり、いざというとき換金もできるため。
中国やエジプトなど多くの国が、縁起のよい品、富のシンボルなど、金に対して伝統的に良いイメージを持っており、金は「所有することで人の気分を良くする力」が強いのです。
さらに、金には健康面での長所もあります。金は安定性が高く反応性が低いので、金属アレルギーを起こしにくい物質。その特性により医療分野でも活用されています。
意外なところでは、フルートなど管楽器に金が活用されています。通常、楽器の材料として使われている銀よりも、金を使ったほうが音の響きが豊かになるのだそうです。