金ETFとはどんな金の投資法なの?

金ETFという金融商品は画期的な金投資法です。この商品が出るまで金に手を出すことができなかった投資家は多かったはず。年金運用を業務とする機関投資家ならば、ペーパー資産で運用するのが通常であり、様々な手間がかかる金の運用は敷居が高かったはずです。

そこに目をつけた人物がいました。名前はジェームス・バートン、カルパースというアメリカ最大規模の公的年金基金のトップだっだ人物。彼は金を調査研究する機関に移籍し、そこで機関投資家の視点から商品を開発しました。それが金ETFなのです。彼は金の上場投資信託=金ETFに世界を変えてしまったのです。

投資信託であれば機関投資家は馴染みの投資法ですから問題はありません。金の保管に頭を悩ませることもなく、ただの投資信託として売買できます。これは売り手側、買い手側、双方にとってまさにコロンブスの卵でした。

金ETFの場合、金ETFが購入されたら運用する側は購入されただけ市場から金を調達してそれを保管します。ただ単に金を買っているのと外見は何ら変わりはありません。その証拠に金ETFは急激に残高を増加させていきました。2003年に初めて登場したのですが、2012年には残高が2,700トンにまで増加したのです。

現在のところ世界最大の金ETFは、ニューヨーク証券取引所に上場しているスパイダーゴールドシェアです。それ以外にもロンドンなどでは地元証券会社が運用する金ETFがシェアを拡大しております。金ETFおよびその類似商品は世界各地でどんどん上場しているのが現状。

投資家によって金ETFが購入されると、その分だけ金市場にも影響があります。金価格は一時1,900ドルをつけましたが、これは金ETFの影響がかなりあったと言われています。個人的感覚から言えば500ドル分ぐらいは金ETFの影響だと思います。

金ETFの残高は現在およそ2,700トンで、その量は世界の中央銀行の中で4番目に多くの金を保有しているイタリア(約2,451.8トン)を超えているのです。いわば中央銀行が2000年代に新しく作られたようなものなのです。

10年間ずっと残高を増加させてきた金ETFですが、2013年に入って残高が減少に転じました。世界的な金融緩和政策の結果、景気が少しづつ上向きになってきて、リスク回避として金ETFに流入していた資金が株式等に回帰したのです。ただ年金運用をしている機関投資家などがすぐに金ETFから手を引くとは考えにくく、ポートフォーリオとして一定程度は金ETFに資金を残しておくと考えられます。

関連記事

ページ上部へ戻る