金は現代の「ハードカレンシー」という存在
ハードカレンシー(hard currency=国際通貨)という言葉があり、本来の意味は国際取引や為替取引に使用される通貨のことですが、2020現在の金は国際通貨といってよいかもしれません。
ハードカレンシーの条件としては、国際的に信用があり、発行体(発行国)が多様な財を産出しており、国際的な銀行における取引が可能、あらゆる場所での換金が可能といったことが挙げられますが、金の場合はいずれもクリアしています。
以下のように考えると分かりやすいでしょう。
・金は、金そのものに価値があるため、純度99.99%の金である限り発行体のリスクは存在しない
・ペーパーマネーは無限に増刷が可能ですが、金は無限ではない
・紙幣(ペーパーマネー)発行体の信用から価値を有しているものであり、FRB、ECBを初めとした各国中央銀行が、量的緩和、追加緩和という名目で増刷することは可能
・極論すれば無限に紙幣を刷ることも可能
・一方、金は無限の資源ではなく、有史以来発掘された金の総量はオリンピックプール3.5杯分と有限
・各国中央銀行が紙幣を増刷するほど、相対的に金の価値は高まる
以上のように『現物』という確固たる存在感があり、有限の金は世界中で通用しうる通貨と考えられるでしょう。
世界経済が混乱する状況が数年単位で起こる現在、金はその存在感をますます高めていくものと思われます。