金の発見で後押しされた大航海時代
金は化学を発展させただけではありません。国同士の交易を発展させるとともに、未知の国への好奇心をかきたてたのです。
マルコ・ポーロが「東方見聞録」で「黄金の国ジパング」を紹介した文章のなかに、こんな記述があります。「中国のさらに東のはずれにある小さな島国ジパングは、建物も、山も、川も、何もかもが黄金で出来ている」この文章を信じ、多くの冒険家が黄金の国ジパングを目指して東へと旅立っていったのでしょう。
多くの冒険家が必死になって探したにも関わらず、ジパングは見つかりませんでした。しかし、その過程で原住民が持っている豊富な金を見つける事ができたのです。欲望に駆られて動く人は少なくはありませんでした。人は誰しも一度欲しくなったらどんどん欲しくなる一方。欲望が果てることはありません。
こうした欲望が大航海時代を後押ししていったという事は、言うまでもないでしょう。そして、ついにスペインは南米のインカやアステカを征服し、原住民から豊富な金を奪い取っていったのです。
作れないなら奪い取ろうと考えたのでしょうか。好奇心を駆り立てて、大航海時代を作った金はもしかしたら、わざわいにも福にも転ずる大きな要素だったのでしょうか。疑問は色々つきませんが、今となってはこれといった証明が出来ないのが残念なところです。