日本での金発見は黄金の国ジパングの始まり
黄金の国ジパングの日本では、どのように金と付き合ってきたのでしょうか。日本で見つかった金製品は福岡県で発見された「漢委奴国王」の印が有名。弥生時代の物とされ、中国(漢)から贈られたものではないかという説が一番有力です。
日本で初めて金が発見されたのは、794年、陸奥国小田郡(現在の宮崎県遠田群)です。偶然見つかった砂金がきっかけと伝えられています。
この砂金の発見から金の採掘がすすみ、752年に完成した東大寺の大仏像は、この地から産出した金でメッキが施されていたそうです。全身金色に輝く大仏様は、さぞかし当時の人々を驚かせたことでしょう。さらに760年には、日本で最初の金貨「開基勝宝」が製造されたのです。これまで32枚が発掘されており、重要文化財に指定されています。
その後も次々に金が採掘され、建築物や工芸品などに使われていきました。有名な所では、1124年に藤原清衝が現在の岩手県に建立した「中尊寺金色堂」や、1397年に足利義満が京都に建立した「金閣寺」などがあげられます。
一説によると、マルコ・ポーロが日本を「黄金の国ジパング」と紹介したのは、中尊寺の金色堂の事を伝え聞いたからだとも言われています。