日本銀行法が制定されるまでの経緯

1867年、江戸時代は終焉を迎えます。旧幕府や各藩が発行した一切の通貨を引き継いだ明治政府は、その安定を図る為、様々な紙幣を発行していきます。ただし、いずれも金や銀との引き換えが出来ない「不換紙幣」だったので、増刷されるたびに価値が下落していく事になります。

やがて1871年、日本は金本位制を採用する事になります。金本位制とは、金を通貨の基準とする制度の事で、国が持っている金と同じ額の紙幣を発行し、金と紙幣との交換を保証するというものです。つまり、重くてかさばる金や銀の代わりに紙幣で取引するための仕組みです。

世界的には、1816年にイギリスが1ポンドの金貨を鋳造したのが金本位制の始まりと言われています。

もっとも当時の日本は完全な金本位性を採るには経済基盤が弱かったようです。その影響からか金銀複本位制が実態となります。

やがて1885年には銀貨と交換できる紙幣が発行され、事実上の銀本位制に移行した事になります。

その後日清戦争で得た賠償金を元手に、1897年には金本位制度を採用する事になります。金0.75グラムを1円とする貨幣法を制定したのです。それに伴い、新たに金貨と引き換えられる紙幣が発行される事になります。

しかし1942年に日本銀行法が制定され、現在まで続く管理通貨制度に移ります。

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