世界が「金本位制」に移行するまでの歴史

モノを売ったり買ったりする商売そのものは、古代からおこなわれていたことでした。ですが、取引の際の最大の制約は信頼できる「貨幣」がないということでした。

お札そのものは紙切れです。

それが国同士の貿易の話となればなおさらで、昔の人にとっては外国のお金など、まったく信用できない紙切れにすぎなかったのです。

今、私たちが千円札を見たとき、そこに「1,000円分の価値」を認めているのは国の保証があり、信頼できる共通の価値があるからこそ。

お札は商売に使うには制約が多いため、国際的に信用できる貨幣として金が用いられるようになりました。

ですが、金はわずかしかとれないため価値が高過ぎ、小口のやりとりには向きません。そこで長い間、通貨には銀貨・銅貨が用いられてきました。

しかし、19世紀の半ば、銀と金の状況に変化が起きました。ロシアのウラル山脈で金の鉱山が発見されて産金が活発になりました。カリフォルニア・ゴールドラッシュが起きたり、オーストラリアでも砂金鉱床が発見され、そこでもゴールドラッシュが起きました。

そこで各国政府は「金本位制」に移行し、貨幣に「金による裏付け」を与えるようになりました。世界各地のゴールドラッシュによって、貨幣は国際的に信用される存在となったのです。

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