金線はどこまで延ばせるか。金箔はどこまで薄くできるか。

1グラムの金を針金のように伸ばすと、約3,000メートルの金の糸、「金線」を作ることが出来ます。また、金を叩いて薄く延ばしていけば、厚さ0.0001ミリの金箔を作れます。このように金は金属のなかでも、もっとも延展性に富んでいる金属なのです。

金箔づくりは紀元前1200年頃、エジプトではじまったと考えられています。日本でも古墳時代のアクセサリーに、金箔がほどこされたものがあります。

日本の金箔の99パーセントは、石川県金沢市で生産されています。金箔の製造は「澄屋(ずみや)」と「箔屋」で行います。

まず「澄屋」で金と微量の銀、銅をるつぼに入れ、1,300℃に熱して合金をつくります。これを機械で厚さ0.01ミリまで延ばし、6センチ角に切ります。その「延金」をさらに機械で0.001ミリまで延ばし、20センチ角に切断したものが「上澄」です。

ここからの仕事は「箔屋」です。「上澄」を12枚ほどの小片に切り、箔打ち用の紙にはさんで機械で打ち延ばし、0.0001ミリまで延ばしていくのです。

金箔は装飾用のほかに食用もあり、日本酒やお吸い物などに使われます。金箔入りチョコレートなど、お菓子にも使われています。金は安定性が高いので、飲み込んでも無害と言われています。

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