消費税の増税は、金取引にどのような影響を与えるの?

2014年に8%、2015年に10%と、消費税が増税されるのは確
実な情勢であり、それについて事前にわかっているというのは、投資家
にとって稀有な例と言えます。

2013年度内に金を購入したならば、2014年で3%、2015年
で5%、それぞれの年に金を購入するより、安価で金を購入することが
できるのです。よって将来的に金を買うつもりなら、2013年度中に
買う方が良い事となります。

ここでちょっと極端な話をします。仮に3月31日まで消費税が5%、
次の日である4月1日には消費税が8%になる場合、3月31日中に金
価格+消費税5%で金を購入し、あくる4月1日に金価格+消費税8%
で売却できた場合は、相場が同じだと、3%分多く得ることができます。
1グラム5000円だとすれば、150円分。1キログラムの金の延べ
棒なら15万円分も多くなるのです。

ですが、ここで考えなければならないものがあります。まずは小売価格
の売買スプレッドです。80円あるとするならば、売買が成立した時点
で80円支払っています。次に相場の変動リスク。仮に1日相場が微動
だにもしなかったら、150円-80円=70円が儲けとなります。

しかし、相場が1日で70円以上、下落すると逆に損を出します。1日
で70円も相場が動くことは通常あまりありませんが、可能性はゼロで
はありません。実際2013年4月には、1日で300円変動したこと
があったのです。相場リスクを軽く考えてはいけません。

また小売価格の値付けの「味付け」も潜在的なリスクとなるでしょう。
増税前の駆け込み需要で、金の購入希望者が増えると、金の現物が買わ
れて同時にプレミアムも上昇します。小売価格が、ロコ・ロンドンより
割高になる可能性があるのです。そして増税後、反対に金の売却希望者
が増えれば、小売売却価格が割安になる可能性が高いのです。80円の
売買スプレッドに変化が無くても、そのスプレッドが上下にズレる可能
性はあるのです。

仮にロコ・東京の中心価格が5000円とすると、中立価格は、買いが
4960円、売りが5040円になります。しかし売買の需要によって
は、その値段は上下に乱高下します。こうなると当初見込んでいた「の
りしろ」が僅かになってしまいます。ですが、これは市場のメカニズム
から考えると不自然なことではありません。ですので、「のりしろ」が
少なくなるのは必須と考えるべきなのです。

様々な条件を考慮すると、短期的な税率の差に着目した取引は、リスク
を負うこと無く儲けられる訳ではありません。現物に関する限り、この
ような取引はしない方が良いというのが多くの投資アドバイザーの共通
した意見。

現物の取引では相場変動リスクは無視すべきではない旨、前述しました
が、トコムの金先物取引を利用した場合、相場変動リスクを考えなくて
もよい取引を行うことができます。

税率が上がる前の2014年2月限の金先物を購入し、同時に2014
年4月限で売却します。この売買を同時に行えば、先物取引はその当時
のスポット価格で行いますので、だいたい同じ価格になるはずです。同
じ単価で売買を行いますから、2月と4月の間の相場リスクは無いのと
同じです。

2月限は、反対売買を行って、手じまいにしたりはせず、そのまま最終
取引日まで待ち、購入価格での総代金と消費税5%を支払います。そし
てその対価として金の延べ棒の倉券を貰います。そしてそのまま4月に
なるまで倉庫に預けたままにしておき、4月末になったら、同じように
4月限について、手じまいをせず、先程の倉券を売り方として渡します。
そしてその時、売却代金と消費税8%分を受け取ります。

この方法を用いた場合、かかるコストは取引手数料と倉券保管料だけと
なります。そのコスト分を入れても、リスク無しに利益が出る取引にな
ります。実際消費税は、最終的には保管価格にかかることになりますが、
大きな影響は無いはずです。

ただ、このような手段を使わず、金投資は長期的保有を前提にして、増
税前に購入するのが、王道だと思うのですが・・・。

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