なぜ金は長期投資が基本と考えられているのでしょう?
金の現物投資に限って言えば、短期的投資に適している効率の良い資産とは言えません。仮に金の短期的相場で勝負をしてみたいと思うなら、CFDや先物取引をお勧めします。売買スプレッドが広くなく、証拠金によるレバレッジで取引ができるため効率的。為替のマージン取引と同様だと考えるとよいでしょう。
相場の短期的な変動で稼ぐつもりなら、相場が動きさえすればよいのですから・・・。一番相場が動き、取引コストがかからず、資金効率がよいものを選択してください。
日本人ですから、その資産は円建ての株式や債券や預金であるのが通常でしょう。しかし円建て資産が安全である良い時代は終わりました。どの資産も発行体次第では紙くずになってしまうのです。このリスクを避けるためには、モノ自体に価値がある資産を選択する必要があります。
それが実物資産であり、不動産や金なのです。ただ不動産にはすぐに処分できない流通性の問題や、税金などの保有コストの問題、そしてそれ自体があまりに高額なために手軽に投資できないという問題がついてきます。一方、金は小口化でき、保有コストがほとんどかかりません。
金の通常取引単位は1キログラムで、グラム5,000円で計算すると500万円程度です。もちろん100グラム単位(50万円)でも取引可能です。また100グラムの金ならば、毎年お子さんやお孫さんへ贈与しても税金がかかりませんし(毎年評価額110万円以下まで)、長期保有することで贈与税の優遇措置を受けられます。
消費税が上がる場合の購入についてはどうでしょうか?消費税が上がる前に金を購入しておいた方が良い理由というものがあります。短期的だけでなく長期的に見ても購入しておくべきだと思います。
今後消費税は15%まで上がることが予想されています。ですが15%で止まる保証はありません。現在日本の財政は火の車状態で、2013年3月時点で国の借金は960兆円にのぼり、2014年にはおそらく1,000兆円を超えるでしょう。また歳入が42兆円あまりしかないのに、歳出はおよそ90兆円。1年で50兆円不足しているのです。そしてその不足分は借金で賄っている状態なのです。
財政再建のためには大幅な歳出削減と増税が不可欠です。世界的な法人税減税の動きから、増税できるのは消費税ぐらいしか残されていません。ですから消費税が15%で止まらず、それ以上になっていく可能性が高いのです。現在消費税を含む付加価値税の世界的平均は20%前後です。将来的にその水準になるとすれば、今の日本の消費税がさらに10%も上がることになります。
ハイパーインフレや財政破綻という悪夢のシナリオに進みたく無ければ、増税が不可避。そうすると今、この時に金を購入するべきなのです。
短期的変動に一喜一憂せず、金融ポートフォリオの一部として金を保有するのは合理的です。金の保有は短期的な利益を得るより、長期的な保険の一種と見るべきなのです。「買っていたのを忘れていた」ぐらいがベストなのです。