金価格は暴落も高騰もあり得ない?
金の価値は暴落も高騰もあり得ないというのは本当でしょうか。これはあくまでも予想ですが、一部の識者が唱えているような1オンス5,000ドルを狙うようような高騰はあり得ないと考えています。
その理由としては、需要と供給のバランスがあります。今のように金の価値が上昇している理由は、さらなる値上がりを期待した投資目的の需要のほうが供給量よりも上回っているからだと言われています。もしそうなれば「手持ちの金を売る事で利益を上げよう」と考える人も増えてくるでしょう。
最近では、リサイクルから回されてくる金の量が増える事で、徐々に供給が安定してきています。また、利益が増えた鉱山会社は、それまでコストが高かったため手を出せなかった鉱脈からの金産出を試みるかもしれません。やがて、需要と供給のバランスが回復傾向に向かい、金の価格は安定していくと予測されます。
金価格が必要以上に高騰してくると、「高値のうちに利益を確定しよう」と考える人が増えてくるでしょう。その結果、値下がり局面に近づいていきます。その様子を見て、「値下がりするなら、なるべく痛手の少ないうちに売ってしまわなければ」と売りを急ぐ投資家が増えていくと考えられます。
売りが売りを呼んでしまう形で価格が暴落していく可能性があるのです。ただし、そのような場合も、鉱山算出コストを長期的に下まわる事は無いと思われます。
それはなぜなのでしょうか。金のコストを考えてみると分かります。算出コスト以下になると鉱山会社は掘った金を販売しても採算割れになってしまい、減産または閉山を与儀なくされる可能性があり、一定額以上の暴落は起きないとされています。
減産すれば、供給量は減っていきます。しかしエレクトロニクス分野では一定の需要が維持される為、再び金の値段は上がり始めるでしょう。そこで「安いうちに買っておこう」と考える投資家が出てくると、また徐々に値段が上がっていく事になると思います。金の価格はこの繰り返しで上下しているのものといえます。