投資の対象に金貨も含むべき?

金貨は日本においても発行されますが、「収集型の金貨」がほとんどで希少価値によって価格が変わり、専門の業者が扱っています。

金純分の価格と額面価格を大きく超える固定価格で売られているのが普通であり、収集家への売却を対象として、人気により価格が決まっています。額面はありますが、メダリオンとしての側面が強く、発行枚数が少なかった頃の記念切手のようなモノと考えればイメージしやすいと思います。

現在ではあまり見かけませんが、「通貨型金貨」という法定通貨として発行されるモノもあります。歴史的に見れば通貨に金や銀を用いていた時代がありますが、相場の変動により金や銀の価値と通貨の価値にズレが出てしまうという理由で、現在は金や銀をそのまま使う例は無くなっています。

投資の一環として金貨の購入を考えているなら、「地金型金貨」をお勧めします。海外の造幣局が製造している場合が多く、金の延べ棒と同じ純度99.99%(まれに99.9%のモノもあります)の純金製で、価格は当日の金の価値で変動します。

現在日本で購入できるのはオーストリアのウィーン金貨ハーモニー、オーストラリアのカンガルー金貨、カナダのメイプルリーフ金貨などです。どの金貨も各国政府が保証しており、在庫さえあればいつでも購入可能。ただ金の価格動向により品薄になることが多々あります。

地金型金貨は小口で金現物投資ができる商品です。金価格にプレミアムが付き、日々の金相場で価格が変動するのは金の延べ棒と同様です。

金貨の大きさは、1トロイオンス、2分の1トロイオンス、4分の1トロイオンス10分の1トロイオンスの4種類があります。1トロイオンス金貨ならば、2013年4月26日時点、田中貴金属店で購入する場合、税込16万7,498円となっております。これより小型の金貨はさらに安く購入できますし、小額で投資をしたいというニーズに合致する商品だと言えます。

地金型金貨の場合、パーチャージはかかりませんが、鋳造コストがプレミアムとして上乗せされるのが通常ですから、1グラム当たりに換算すると金の延べ棒より割高になります。ただし地金型金貨は売る時もプレミアムを上乗せした状態で売却可能です。もし金貨を傷つけた場合は金貨としてではなく、地金としての買取になるためプレミアムが付かなくなります。保管にはご注意ください。また子供の将来のため、子供の誕生日毎に1枚づつ金貨を購入される方もいるそうです。

金貨には表面に通貨として使用する際の額面価格も載せられていますが、普通、金の価値よりも低い価格が載せられています。以前日本で鋳造された昭和天皇在位60年記念金貨は額面が10万円でしたが、使用されている金の量は1枚当たり3万円から4万円程度の量でした。

そのため偽造品が大量に製造され問題となったことがあります。それ以降そのような事態を避けるため、額面価格は実際の金の価値より低くするのが普通となりました。仮に額面価格が1万円だと、実際の金の価値になおすと7万円になる場合、額面価格で使用する人はいないでしょう。

先程述べた昭和天皇在位60年記念金貨の価値は、9万5,000円前後となっています。これは金の価格が当時より上昇しているからで、もう少し金の価格が高くなったら額面価格を超えることになりそうです。また金の価格が下がったとしても額面価格で使用すれば問題ありません。

この金貨を購入した方は事実上、プットオプションを買ったことになります。損失は限定されていて、将来の利益の可能性は上限がありません。相場と金貨に含有される金の量の関係で起こった珍しい例と言えるでしょう。

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