金の延べ棒を購入する場合、注意点はありますか?
金の延べ棒には、5グラムから1キログラムぐらいまで様々なサイズが用意されています。販売する会社によって取り扱っているサイズはマチマチですが、100グラム、500グラム、1キログラムの商品を扱っている会社が多いようです。
金の延べ棒の価格は単純に、その日の金の価格にグラム数をかけて計算しますから、当然のことながら小さいサイズほど価格も安くなります。ただ小さいサイズの場合、パーチャージという手数料がかかりますからご注意ください。
このパーチャージは購入時にはかかりますが、売却時には上乗せしません。よって割高で購入して、時価で売却することになるのです。パーチャージが加算されるのを避けたいなら、500グラムや1キログラムの商品を購入しましょう。
ただ現在は相続税対策や支払調書の提出義務などの理由から、100グラムの商品がよく売れています。金価格が上昇し、キロ単位で購入するとかなり高額になりますから、手数料分が割高でも100グラムで購入するのも分散メリットがある点から検討すべきだと思います。
日本においては田中貴金属工業のような地金商や、三菱マテリアル、住友金属鉱山のような製錬会社まで、自社ブランドの金の延べ棒を製造し、販売しております。ただブランドが異なっても、重さや品質が同一ならば金の延べ棒としての価値は同じであり、その日の相場価格で売買されます。
金の延べ棒などを購入する時の価格を金小売価格と呼びます。金は24時間、世界中で取引され価格も変動します。この市場価格に保険費込みの輸送費や手数料を各社それぞれ加算して販売します。
金の延べ棒を扱う会社では当日の金の小売価格を表示し、1グラム当たりの円建ての価格が消費税込みで各社のサイトや店頭に掲げられます。
一方、我々が金を売却する時の価格を金買取価格と呼びます。こちらも1グラム当たりの円建て価格を消費税込みで表示しています。
金小売価格と金買取価格の間には差があり、我々の方から見ると高く買って、安く売るような感じになります。これをスプレッドと呼び、この価格差が販売会社の利益となります。
スプレッドも各社で異なりますが、日本の場合フォーナインと呼ばれる純度99.99%の延べ棒ばかりですから、品質的な違いはほぼありません。また現在はリサイクル会社が自社ブランドの金の延べ棒を製造したり、外国の会社の延べ棒も流通するようになっています。
金の延べ棒の表面には製造番号、ブランドのマーク、重さ、品質などが刻印されています。純度が高いことを示すのが99.99の刻印で、純金であることを示しています。
金の延べ棒には「ロンドン・グッド・デリバリー・バー」と呼称されるロンドン貴金属協会が公認するブランドがあり、このブランドがあれば世界中どこでも買い取ってくれます。
2013年3月時点、小売のスプレッドは80円ぐらいですから、購入し、すぐに売却すると80円あまりの損をすることになります。金の延べ棒への投資は、短期的であれば損を出す可能性が高いようです。
日本においても「日本金地金流通協会」があり、この協会の会員ならば信用できます。LBMA公認ブランドは現在60社以上あり、日本の企業も含まれます。