金は採掘した直後はどんな形なのか
欧米でも日本でも、人間はずっと金の輝きに魅了され続けてきました。それでは、金鉱山で鉱石が発見されてから金が製品になるまでの流れは、どういったものなのでしょうか。
そもそも金はどのような姿で地中に眠っているかご存知でしょうか。
川原でパンニング皿という浅い器を使って砂をふるいながら、小さな金の粒「砂金」を見つけると言う姿が一般的に思い浮かびます。金は比重が19.3という重たい金属なので、軽石や砂粒、砂鉄は水に流れても砂金は皿の底に溜まります。その性質を利用して他の物質と分けているのです。
現在でも佐渡金山などの観光施設では、一種のレクリエーションとして砂金探しを体験する事が出来るのですが、一度体験してみるとその大変さが良くわかると思います。
ただし、現在は砂金堀りだけで採算ベースに合うほどの金を採るのは不可能。人間は採りやすい部分の砂金をすべて掘り尽くしてしまいました。そこで金鉱山で金鉱石を掘り、そこから金を精製する必要があります。金鉱石を掘る方法としては「露天掘り」と「坑道堀り」の2種類があります。
露天掘りというのは、地表から渦を描くように地下をめがけて掘っていく方法で、比較的浅い部分にある鉱石を採るのに適した方法と言えます。
坑道掘りというのは、鉱床に沿ってトンネルを掘り進めて鉱石を採取する方法で、大規模な金鉱山のほとんどがこれを行っています。
こうやって掘り出した金鉱石は、金色ではなく石ころのような色をしています。金鉱石を1トン掘り出した所で、純粋な金は5グラム程度しか採れないのです。高品位な金鉱石が採れるとされている菱刈鉱山でも、1トンから40グラム程度しか採れません。
このことからも、金がいかに希少価値の高い金属かということが分かると思います。