日本の金鉱脈のあやうさと今後の見通し
金鉱山はどのようにして探していたのでしょうか。金属探知機をはじめとする便利な機械がなかった時代、昔の人は山に分け入り、ひとつひとつ探していました。現在では人工衛星で宇宙から金鉱脈を見つけてボーリングしています。昔に比べたらはるかに楽に見つける事が出来るのですが、問題はその金鉱脈のある場所。見つける事が出来た所で採掘出来るのかが次の問題になってきます。
人類は長年、金を採掘してきたため、見つけやすく掘りやすい場所からはほとんどとり尽くしてしまいました。ですから、そう簡単で掘りやすい場所に金は見つかりません。
現在では地下のものすごく深い所や、海底のさらに深い所まで掘り進まないと産出できないなどといった、条件の悪い鉱脈が目立つようになりました。歩いて簡単に行けるようなそんな好条件の鉱脈が見つかれば、今の研究で「将来、金が不足するのではないか?」という説がささやかれる事はないでしょう。そういう意味では、現在の日本は金の産出に大きな問題を抱えている事になります。
しかし、金の採掘量が減ったとしても金の需要と供給のバランスが崩れる事は無いかもしれません。ここまで、長い間金は繁栄の礎となってきたのです。人によって見解は違うかもしれませんが、デフレにもインフレにも強い金が、そう簡単にバランスを崩すとは考えられないためです。