金の産出が世界一多い国はどこ?
金に関心をお持ちの方には、今でも「金といえば南アフリカ」というイメージがあるようです。南アフリカは、地下資源の豊富な国として知られています。金の産出量も、1970年頃には世界全体の70パーセントを占めていました。
南アフリカの地下に金の鉱脈が集中していることが確認されたのは、1884年のことでした。日本では明治17年の時。金が集中しているといっても、金がどこか一ヶ所に固まっているわけではありません。当然、金がある場所の中でも、掘りやすい地形をしているところから先に掘っていくことになります。
採掘開始から一世紀以上経つと、浅くて掘りやすいところは掘り尽くしてしまい、現在の採掘現場のありかは、地下3,000メートル前後と、たいへんな深さになっています。
その一方、金鉱石に含まれる金含有量が低下するようになりました。掘リ出した石に含まれている金の量が少なくなってしまったのです。
南アフリカの産出量は、1970年代をピークに減ってしまい、2007年に中国に追い抜かれました。中国は1980年ごろから、改革開放政策の一環として、金の採掘に力を入れています。あれだけ広い国ですから、金が見つかる確率も大きく、やりがいがあるのです。
1995年に年間産出量100トンを突破。2003年には200トンを突破、その4年後、ついに南アフリカを抜いて、産出量世界一に躍り出ました。ちなみにかつて「黄金の国ジパング」と呼ばれていた日本の産出量は8トン。しかしこれは国土の広さを考えると、決して少ない量ではありません。