金は金鉱石に含まれています。それを取り出すには・・・

金は銀や銅と違って、自然状態でほかの元素と結合し化合物となることがまずありません。通常「自然金」と呼ばれる単体の鉱物として発見されます。そのときの状態によって、鉱脈に含まれる「山金」と、川の砂に含まれる「砂金」に分けられます。

「山金」といっても肉眼で金の粒子が見えるほど、たくさん金が含まれていることはまずありません。多くは石英や炭酸塩のなかに、極小の粒子として存在します。

南アフリカのヨハネスブルクの金山は石英質の丸石と珪砂、酸化鉄の砂が固まったような堆積岩で構成されています。金は石英質の丸石のなかで、さらにセメントの役割を果たす砂のなかに含まれています。

南アフリカの金山では鉱脈をダイナマイトで粉砕し、金を含んだ鉱石を採取します。その鉱石を「ボールミル」という粉砕機で粉末状にして水銀にかけると、金が水銀と混ざり合って「アマルガム」という合金になります。それを加熱すると、水銀だけが蒸発して金が残ります。

この方法だと大きな設備を作らなくてよいので、設備投資が少なくてすみます。そのため南アフリカでは現在もこの方法が主流。

また、近代的な鉱山では銅を精錬する溶鉱炉を使用します。金の鉱石と銅の鉱石を混ぜて投入し、溶鉱炉から出した後、銅が回収されると金と銀が残ります。その残りをもう一度溶かして今度は銀を回収し、さらに電気分解をして金を回収するという方法が取られています。

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