かつて、プラチナが北海道で産出されていた!?

金よりも貴重と言われるレアメタルのプラチナですが、かつて北海道の天塩川や石狩川などで、事業として採掘されていたことがあります。

プラチナの産出の様子は、金と同様。鉱石に含まれるものと、川床に堆積した「砂白金」とがあります。

プラチナをはじめパラジウムやロジウムなども含めた白金族は、もともと火成岩の一種であるかんらん岩のなかで生まれ、風化作用を受けて粉々になります。それが雨水などで流され、川原などで砂状で見つかることが多いのです。

北海道を南北に走る天塩山地や北見山脈、日高山脈などは内部にかんらん岩が多いため、白金族が生まれやすいのだそうです。その岩石が風化して白金族が分離、川まで流され、砂となって堆積しているというわけ。

世界の砂白金はプラチナが大部分を占めるのに対し、北海道で採取された砂白金はプラチナが少なく主成分はイリジウムとオスミウムで、2つ合わせてイリドスミンと呼びます。それが北海道砂白金の90パーセント以上を占める成分です。

そのイリドスミンは万年筆のペン先にある突端部分に使われるもので、これを使うと安定感のある、格段に書きやすい万年筆ができると言われています。

そのためイリドスミンは戦前、万年筆に使うのを目的として大量に採取されました。戦時中も触媒や戦闘機の計器類として大量に使われましたから、現在では砂白金は激滅し、事業としては採取されていません。

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