金とプラチナの値動きは、同じようで、違う・・・

プラチナも金に倣ってここ35年の値動きを見てみましょう。

プラチナの値動き全般の大きな動きだけを見ると、金の値動きと似ています。金価格の下落、上昇に影響を与えた主なものは東西冷戦などの政治の動向、クウェート侵攻に関して起きたような国際紛争でした。

さらに、その時々の各国の経済状態の変化や為替相場の世界に起きるさまざまな出来事も、金価格の動向に影響を与えてきました。金がそうであるように、プラチナの値動きもこれらの影響を受けてきました。

金とプラチナでは価格が違います。

プラチナのほうが希少ですから通常はプラチナのほうが価値があり価格に差があります。ですが、値動き全般の傾向は似ています。しかし、すべての値動きが全く同じというわけではなく、金とは少し異なる動きをしている時期があります。

プラチナが時々、金と逆の値動きをすることがあるのは、プラチナには金にはない特有の性格があるためです。そのため、金には影響せずプラチナの値動きだけに影響する原因があったり、その逆があったりして、そのようなことが起きるのです。

金は宝飾品や投資需要が最も多いのですが、プラチナにも同じような需要があるのですが、需要の比率、つまりどのような目的にどれくらいの必要とされているかはそれぞれ違います。

2000~2001年アメリカ同時多発テロの直前まで、プラチナの価格は上昇しました。ですが、同じころ金は底値近辺でした。

2000年前後、アメリカは「ITバブル」と言われる好景気に沸いていました。ハイテク株を中心に株高が起こり、消費や投資も活発になりました。株価が上がると、今後もっと上がるかもと期待して投資する人が増えていきます。

金には利息がつかず、株価が上昇しているうちに配当がつく株を買っておくほうが有利と考え、投資する人が増えるのです。株価が上がりますから、当然、金の価格は下がります。

金とは違ってプラチナは値上がりしました。

株価が上がり景気が良くなると産業が活発になります。もともと、プラチナの需要の大半は産業需要です。それで、好景気になるとより需要が高まり、価格も上がるのです。

株価が上がり、景気が上向くと自動車やエレクトロニクス製品が売れるようになります。そうすると、プラチナの需要が拡大します。より多くの人がプラチナを必要とするわけですから、プラチナの価格が上がるのです。

こういった要因から2000年ごろのプラチナの価格は金とは違う動きになっていったのです。ただし、アメリカ同時多発テロをきっかけに、政情不安・経済不安が起こり値を下げてしまいます。

その後の値上がりトレンドは金と同じ理由からです。

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