プラチナは自動車部品に必要不可欠
プラチナは金と異なり装飾品用に使われる割合が低く、その代わりに産業用の需要がかなり高くなっています。
最も多くのプラチナを必要としているのは自動車産業であり、プラチナ以外のロジウムやパラジウムといったプラチナ族金属を、プラチナと一緒に自動車の排ガス浄化装置に触媒として使っています。ちなみに触媒とは、「自分自身はそのままで、接触する物質の化学反応を促進させたり、反対に抑制させたりする物質」のことであり、プラチナは飛びぬけて優れた触媒作用があるのです。
一酸化炭素、炭化水素、そして窒素酸化物といった人間の体や自然界に有害な物質が自動車の排ガスには含まれています。プラチナを含むプラチナ族の金属を触媒に使っている排ガス浄化装置は、先程あげた有害な物質を通すことでそれを二酸化炭素や水など、人間や自然界に無害なものへ変化させるのです。
プラチナの劣化しにくいという特性のおかげで、この触媒効果はかなり持続します。自動車の大きさでプラチナの使用量が変わってきますが、だいたい2グラムから5グラム程度が自動車の排ガス浄化装置に使われています。
自動車の排ガス浄化装置以外にも、点火プラグや酸素センサーといった部品にプラチナが使用されています。必要不可欠なもの、プラチナは自動車にとってそういうものになっているのです。