プラチナの歴史は、古代エジプトから始まった

人類がプラチナの利用を始めたのは、紀元前1200年ごろだと考えられています。金の装飾具を作っていたことで有名な古代エジプトの民は、プラチナによっても装飾具を製造していたのです。

「テーベの小箱」と呼ばれる物入れが、現存している最も古いプラチナ製品だと言われています。この物入れはエジプト第25王朝のテーベ王の王女で、神官でもあったシェペヌペット1世の墓から出土したものでした。ちなみシェペヌエット1世は、紀元前700年ごろの人物です。

この物入れはプラチナ製とはいっても、物入れそのものはゴールドとシルバーで作られています。そしてその表面に線を彫ってプラチナを埋め込んだ構造になっており、シェペヌエット1世の伝記が綴ってあるのです。本人の伝記が表面に綴ってあるということは、それを作ったのはシェペヌエット1世の死後のはずですから、彼女自身がこの物入れを使っていた可能性は低いでしょう。

しかし、加工しにくいプラチナをどうやって古代エジプト人たちは物入れの細工に加工したのでしょうか?残念ながら、プラチナの加工に関する古代エジプト人の資料が無く、その方法は現在でも謎のままとなっています。

ちなみにこの「テーベの小箱」は、パリにあるルーブル美術館で見学することができます。

関連記事

ページ上部へ戻る