金相場が変動するいくつかの要因について

金というのは信頼性が高い資産ですが、しかし投資すれば必ず利益がでるというものではありません。金にも相場があるので、当然のことながら値段が高い時に買って低い時に売れば損になる。それは株と同じ。

しかし、金の相場の変動は、いくつかの要因に注目していれば、ある程度は予測がつきます。

一般的に金は社会情勢が不安定なときに買われる傾向があります。

極端な話、一度戦争でも起これば企業の株券どころか、一つの国の通貨までが紙くず同然となる可能性があるのに対し、金はどこの国に持って行っても金としての価値があるからです。

こうした地域的、政治的な出来事が相場の変動にかかわるものを「地政学的要因」と呼びます。

しかし、地政学的要因よりさらに金相場に影響する要因があるという指摘もあります。それがアメリカの金利です。

金利というのは要するに銀行がお金を貸すときに要求する「使用料」のこと。つまり100円貸すから貸す料金として1円くださいというのが金利です。借りた側は返すときに101円支払います。

金利が低いのは借りる側にとってはよいことです。だから、金利が下げられるとお金を借りる人が増えて経済が活性化します。

しかし、逆にこれは銀行の儲けが減るということを意味しています。

銀行が貸すお金は預金者が預けたお金。だから、それを使って得た金利は預金者に還元されなければなりません。

しかし、金利が低くなるほど還元率も下がりますから、特に大口預金者にとってはうまみがなくなるわけです。

であるならば、銀行に預けておくより安全性が高い金に投資しておこうという流れが生まれます。

他に、株価が下落した場合も投資家が株より金への投資にシフトするということもあります。

いずれの要因にせよ、金が買われるということは値段が上がるということ。

しかし、物事には限度がありますから、値段が上がり続けるということはありません。金相場も2011年まで上昇を続け、そこでピークを迎えた後は下落しました。

金に投資する場合でもこのような相場の流れをある程度理解できなければ、痛い目に合うことになりかねません。

マスコミが「金投資がブーム」などと騒ぎ出すときはもう下落の一歩手前と見たほうがいいでしょう。

実際、バブル経済のときも、テレビで素人投資家の増加が取り上げられたり、書店に初心者向け株式投資の本が大量に並び始めて間もなくして、はじけました。

投資をするときは、世界的な社会情勢やアメリカの金融政策などを観察しながら、自分の頭で考えるのが大切です。

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