形はどうあれ、金の価値は変わりません

一口に金と言っても、国によって流通している金の純度は異なります。日本では「フォアナイン」と呼ばれている99.99%の地金が取引されています。一方、中東は99.5%、インドでは「スリーナイン」、すなわち99.9の純度の地金が主流です。国際的には、99.5%以上であれば金の流通は可能です。日本でも30~40年前までは「スリーナイン」の地金も出回っていました。しかし、精錬技術の発展とともに、ピュアで完璧なものが求められるようになったのです。

金と言われるとどんな形を想像するでしょうか。延べ棒を思い浮かべる人がほとんどだと思います。しかし、この形も国によって違います。

ヨーロッパではその昔、戦争が盛んだったため、自国の通貨よりも金貨が信頼されていました。その為、昔から金貨を売買するというマーケットが盛んで、今でも金の地金より金貨が人気です。

では、アメリカはどうでしょうか。現物取引よりも有価証券による取引が主流。小切手社会ならではの現象ともいえるでしょう。

薄い金も純金の金貨も、その価値は変わりません。金製品や金塊の形も国によって特徴があります。ベトナムではゴールド・リーフ型と呼ばれる地金が製造されました。薄くて持ち運びがしやすい為、靴の中に入れたり、服の裏地に縫い込んだり、巻いて細い筒に入れたりと、多用途に使われた地金。

ベトナム戦争ではひそかに持ち出される事もあり、何千もの金が取扱い会社に売却されました。

香港やタイでは縁起の良い形とされている船の形の地金が作られています。同様のデザインは中国の硬貨にも古くから採用されています。インドの女性は嫁入り道具として、金のネックレスや腕輪、イヤリングなどを持っていく習慣があります。

我が日本にも面白い工芸品があります。漬物石や純金の金庫が作られた事がありました。金のビアジョッキや風鈴などが販売されたのは最近。果たして、金のビアジョッキで飲むお酒は美味しいのでしょうか。金自体に味はありませんが、気分は最高なのではないでしょうか。

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