購入した金はどのように保管すれば良い?

購入した金は、もちろん自宅の金庫で保管しても良いのですが、お勧めなのは購入した店舗で保管してもらう方法です。金の延べ棒の販売会社によっては、保管してくれるところもあります。最低限の保管量は決まっていて、半年単位、1年単位で保管していくれます。有料サービスなので諸々含めて年間5,000円程度からになっています。もし別の会社で買った金を保管してもらう場合は、一度保管先の会社に売って同じ量を再び買う形にしなければなりません。

他の手段としては銀行の貸し金庫に保管するという方法もありますが、この方法を使っても手数料がかかりますし、自宅で保管するとしても金庫などを購入する必要がありますから、やはりコストがかかります。いずれの方法を取っても、価値が高い金の延べ棒を保管するにはお金がかかるということなのです。

プロの業者の場合は、金の延べ棒の保管を三井、三菱、住友といった倉庫会社に頼みます。このような倉庫会社は個人向けのプランも充実しており、保管を依頼してみるのも良いでしょう。

保管サービスを利用した場合、手元に置いて鑑賞することはできませんが、売却する時は運ぶ手間が省けるため便利です。そして引きだしたいと思ったらその会社が定める単位で、金の延べ棒にして送ってもらうことができます。

金の延べ棒は手元に置いておきたいと思われる方が多いのも事実です。阪神大震災の時、火災にあった金庫の中から灰になった紙幣と、溶けた金が発見された事がニュースになりましたが、金は溶けても、再び成形することができます。このニュースが放送された後、金の延べ棒の売り上げが伸びたようですが、みなさんが資産の保全先としての金の有用性に気がついたというところでしょうか。

金の延べ棒の場合は一定量の重さがあれば保管サービスを利用することができますが、金貨の場合は利用できないのが通常です。つまり自分で金庫を買ったり、貸し金庫を契約したりして保管するしかありません。金貨の場合は通常プレミアムが上乗せされて販売され、また売る時もプレミアムを上乗せすることが許されています。ですが、保管中に傷が付いた場合はプレミアムを上乗せするのができなくなるので保管には細心の注意が必要です。

さて、ここで金貨に纏わるドイツのお話をしましょう。この話は、「金貨を手元に置いておけ」というお話ですが、日本と欧州との違いがよくわかると思います。

欧州では戦乱が続き、通貨がゴミになるようなことが何度もありました。そこで考えられたのが金貨にして手元に置く方法です。何でも1カ月家族が生活できるだけの金貨を用意するとか。欧州は陸路で繋がっていますので、何かあったら金貨だけを持って逃げるようにと話されていたそうで、欧州では「金貨さえ持って逃げれば何とかなる」ということかもしれません。

純金積立の場合は引き出せる量まで貯めなければ、金を手元に置くことができません。そして積み立てをしている間の保管方法として、特定保管と消費寄託保管の2種類があります。特定保管は販売会社が顧客の金を自社の金と別口で保管するため、仮に販売会社が破たんしても金は保全されます。一方消費寄託保管の方は顧客の金を自社の金に組み入れ、それを貸与することで運用します。その運用益を顧客に還元する会社もありますが、もし販売会社が潰れると顧客の金も戻ってこない可能性が大。

金ETFについてはその裏付けとして金の延べ棒が保管されていますが、金の保有を目的とするモノでは無いので、保管について個人が心配する必要はありません。

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