自然のままの金から「純金」を生み出すには
金の純度は、一般に「24分率」で表されます。
純金は「24カラット(carat)」「24金」「K24」などと表記され、純度が99.99パーセント以上です。
「18金」は金の含有率が「18/24」、つまり75パーセントで、「750」と刻印されます。
自然金が「24金」の純金であることは少なく、たいていは銀や銅、ビスマス、パラジウム、ロジウムなどが含まれており、それら不純物を取り除く必要があります。
江戸時代の佐渡では「金銀吹き分け法」という方法で、金の純度を高めていました。炭火を焚いた炉のなかで自然金を溶かし、鉛と硫黄を加えると、銀が硫化銀となって酸化鉛と一緒に浮かんできます。
これに束ねたワラで水をかけると薄い皮ができるので、皮を鉄の板ではがし、硫黄を加えて溶かします。この作業を10日以上繰り返すと、銀やその他の金属が分離され、純金が残るのです。
現代の菱刈鉱山で採掘された鉱石は、まず溶炉で銅精鉱とケイ酸鉱、酸素を加えて溶かします。これで鉄と硫黄が除かれ、品位99パーセントの粗銅ができます。金銀は、その粗銅のなかに含まれていますから、粗銅を精錬してから電気分解すると、銅だけが分離されます。
さらにセレンやテルル、ビスマスなどを分離した後で、銀を分離する電気分解をすれば純度の高い金が残ります。最後に金分離の電気分解をすれば、品位99.9パーセントの純金が残ります。