日本が世界の銀の3分の1を産出していた歴史

『日本書紀』に、対馬国司守が「この国で初めて銀が出ましたので奉ります」と報告してきたと記録されています。日本の文献に初めて銀が登場するのがこの記述です。

日本では、飛鳥時代から銀が産出するようになったとされています。

日本の銀山で有名なのは、戦国時代から江戸時代にかけて栄えた石見銀山(島根県)と生野銀山(兵庫県)。

豊臣秀吉の時代には銀山も金山も直轄領とされ、豊臣政権を支える資金源となりました。金はいろいろな採取方法がありますが、銀を得るには大規模な坑道を開発するしかなく、国家の後押しと高い精錬技術が必要だったのです。

当時、世界で産出される銀は年間約200トンでしたが、日本は約3分の1を産出していたそうです。

江戸時代初期に銀は日本の貴重な輸出品として、生糸や絹などと交換されました。ですが、江戸時代のうちにほぼ掘り尽くし、現在の日本の銀は菱刈金山で採掘される金の副産物としてわずかにとれるだけ。

世界的に見て現在の銀のおもな産出国は、ペルー、メキシコ、中国。この3ヵ国だけで、世界の年間総産出量の約半分を占めています。

確認埋蔵量ではペルーが12万トンで世界の4分の1。他にチリの7万トン、オーストラリアとポーランドの6.9万トン、中国の4.3万トンなどが続きます。

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