電気伝導率、熱伝導率、可視光線反射率、すべてトップの金属とは

銀は、電気伝導率、熱伝導率、可視光線反射率、どれもトップの金属。高い電気伝導率を生かして携帯電話の配線に利用されていますし、高い反射率を活かして高性能の鏡面にも用いられます。

また、延性と展性(金属が薄い板や箔になる性質のこと)では、金に次ぐもので、1グラムの銀を約2,000メートルの線に伸ばしたり、厚さ0.15ミクロンの箔にすることもできます。

銀は常温・常圧では、銀白色の軟らかい金属。金と同様、単体では軟らかすぎて傷つきやすいので、銅やニッケル、コバルトとの合金として用いられることが多くあります。とくに、銀の含有率が92.5パーセントの銀を「スターリングシルバー」と呼び、銅との合金がコインや装飾用、工業用などに利用されています。

銀は以前、臭化銀、ヨウ化銀などとされて、写真フィルムの感光剤に使用されていました。銀のハロゲン化物が光を受けて銀原子を遊離することを利用し、還元剤と反応させることでその変化を増幅(現像)、画像として記録していたのです。

かつては、フィルム材料として銀は大量に使われていましたが、デジタルカメラが普及してからこの分野での使用量は激減しています。

ちなみに、銀の元素記号「Ag」は、ラテン語で「輝く」を意味する「Argentum」に由来します。

また、アルゼンチンという国名は銀の川という言葉から来ています。国の中央を流れる「ラプラタ川」(スペイン語で銀の川)にちなみ、ラテン語の「Argentum」から名づけられました。

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