銀は投資先にはならない金属なのか?それとも・・・
銀は金やプラチナに較べて価格が安く、ビジネスニュースなどでもあまり報道されないため存在感が薄いようにも思われますが、そんなことは全くありません。古代から中世にかけては銀は慢性的に不足しており、とても高価なものでした。
古代エジプトでは銀の確保が困難で金よりも価値があり、金製品に銀メッキがされていたこともあります。中世になると、ヨーロッパの支配階級が食事に銀食器を使うようになりました。もちろん美しいからですが、理由はそれだけではありません。
食べ物に硫黄化合物などの毒物が入っていた場合、銀食器ならそれによって科学変化を起こし、黒く変色します。そのことによって難を逃れることが出来るからです。
昔の日本にはお毒見役といって、専門の訓練を受けた上で将軍の食事に毒が含まれていないか、将軍の食事の一部を試食するのが役割の家来がいました。先に試食した家来の安全を確認してから、将軍が食事をするのです。
日本でそういう家来が必要だったのは、日本であまり銀食器が普及していなかったせいかもしれません。
現在では銀はアクセサリーなどの装飾用はもちろん、電子部品など工業用の需要がたいへんに多く、重要な金属とされています。また、銀イオンの強い抗菌性が注目され、抗菌剤として広く使用されています。
マーケットでの取引も、金やプラチナとは少し仕組みや値動きが違うこともありますが、同様に活発に行われています。