どれくらいの税金が金にはかかるのでしょうか?
地金型の金貨や金の延べ棒を購入すると消費税がかかります。売却時も消費税を価格に上乗せすることが可能です。
消費税増税を見越して8%の時に購入した金を、10%に上がった時点で売却すれば差額分利益を得られると考えることもできます。ただし金の場合、小売価格と買取価格の間には開き(スプレッド)が存在し、通常買取価格の方が安く設定されていますので、差がどれくらいか確認しておく必要があります。
また消費税は率によって計算しますから、金価格が上昇していれば多くなり、下落していればもちろん低くなります。増税前の駆け込み需要で金の購入者は増加すると思いますが、金価格の変動には注意が必要です。おそらく思ったほどの利益は出ないでしょう。
金ETFや純金積立には消費税はかかりませんが、金貨や金の延べ棒にして引きだす場合は、引きだす時点で消費税がかかります。
地金型金貨や金の延べ棒が買った時よりも価格が上昇し、売却時に利益が出た場合、どうなるのでしょう?この場合、譲渡所得となり所得税の対象となります。金以外にも譲渡所得がある時は、合算して50万円まで利益は特別控除の対象となり、非課税となります。合算して50万円を超える場合は、超えた分に課税されます。
ただ譲渡所得の対象となったモノを5年以上保有していた場合、50万円を超えた分の2分の1に課税されます。長期保有していた方が優遇されるということです。譲渡所得だけで計算後、他の所得と合算し、それに総合課税されます。あとは確定申告が必要となります。
純金積立の場合は、積立期間中に売却したら雑所得として扱われます。
他の雑所得と合算し、損益が出ている場合は相殺可能です。雑所得の合計が20万円を超えた場合は確定申告する必要がありますが、20万円以下ならば必要ありません。なお超えていた場合は他の所得と合算し、総合課税になります。
ただし純金積立で、金の延べ棒として売却した時は譲渡所得に分類されることがあります。詳しくは専門家にご相談ください。
金融商品である金ETFの場合は、株式や投資信託と同様に利益が出たら10%が税金として差し引かれます(2013年12月31日まで10%に軽減されています)。損を出した場合は、税金は課税されません。
2012年から金の取引業者は200万円を超える金を買取した場合、所轄の税務署に支払い調書の提出が義務付けられました。また200万円を超える買取をする場合、本人確認も義務付けられています。これによって200万円を超える取引が明瞭となり、納税を促す仕組みになったと言えます。
相続税対策として金を用いるのもひとつの手段です。不動産では分割は容易ではありませんが、金の延べ棒なら容易に分割できます。また保有する間、固定資産税も課税されません。また贈与の場合、年間非課税枠は110万円以下ですので、それ以下の金の延べ棒なら課税されることなく贈与可能です。
今後、消費税は15%になるかもしれません。日本の財政状況を考慮するとそれ以上になることも十分考えられます。よって増税になる前に金を購入するのも良い手段かもしれません。